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視線の方向によって考えが分かる【心理学】

左上の視線は「視覚的記憶」

「昨日着ていた洋服の色は何色ですか」とか「パンダを思い浮かべてください」といわれて答えを思い出そうとしているとき、視線はどちらに動くでしょうか。

おそらく、多くの人は、左上の方向に動くと思います。

視線が左上に動くときは、たいてい何か視覚的に思い出しているときです。

ここでは、昨日着ていた洋服を思い出しているかもしれませんし、パンダを映像化しているかもしれません。

どちらにせよ、過去に体験したり、知っているものに対して記憶をたどったり、イメージしたりしている状態です。

こんなときには、たたみかけるように質問するのではなく、相手が記憶をたどって答えを見つけ出すまでひと呼吸おいて、待ってあげるといいでしょう。

ちなみに、実際に何かを思い出そうとするときに、視線を左上に向けると、思い出しやすくなるといわれます。

記憶力を問うテストのときにでも試してみてください。

自分の携帯番号などのように自分がよく思い出したり口に出したりしている事柄にはあまり効果はありませんが、ずっと「寄り目」をしている状態では、泊まっているホテルの部屋番号や昨日の夕食の献立など、最近起こった事柄の記憶を思い出そうとしても、すぐに思い出せなかったり、言葉にできないということもあります。

ぜひ、試しにやってみてください。

右上の視線は「視覚的創造」

 今度は、「もし、月に住んで銀河を見上げたらどんなふうに見えますか」とか「ピンクと黄色の2色のパンダを思い浮かべてください」と質問されたとします。

視線の動きはどうでしょう。

右上方向に動くのではないでしょうか。

視線が右上方向に動くときは、何か視覚的に創造しているときです。

いままでに経験したことがなかったり、知らないことに対してイメージして映像化しようとするときに、この視線の動きが多く見られます。

もし、あなたが将来カフェを経営したいと思っているのであれば、視線を右上に向けて将来像をイメージすることで、お店の外観やお客様やスタッフの様子など、より明確なビジョンが浮かんでくるかもしれません。

そして、イメージが浮かんできたのならば、実現への道が一歩近づいたということになります。

なお、視線の方向は、本人にとっての向きになりますので、相手の視線を追うときは、間違えないようにしましょう。

音や言葉は「聴覚」情報

聴覚にアクセスしているときは、視線は「横方向」に動きます。

聞こえてくる音やメロディはもちろんですが、言葉も聴覚情報のひとつなので、言葉を聞こうとするときにも視線は水平に動くことを覚えておきましょう。

通訳をしている人を観察すると、視線を左右に動かしていることが多いのに気づくかもしれません。

左横の視線は「聴覚的記憶」

「昔、好きだった音楽は何ですか」とか「あなたの携帯電話はどんな着信音ですか」といった質問を受けたとします。

このとき、視線は左横方向に動くことが多くなります。

視線が左横方向に動くのは、すでに知っている音を思い出しているときです。

そして、言葉を思い出しながら、話をしているときもこのような視線の動きになることが多いです。

この視線解析の特徴を使えば、大事な要件を口頭で言われたような気がしているのに、なんだか忘れてしまったとき、視線を左横に動かしてみればいいことに気がつきます。

また、会話の相手の視線が左横に動いたときは、こちらもそれに合わせて「聴覚優位の人がよく使う」言葉で質問をなげかけると、その後のコミュニケーションがスムーズにいくでしょう。

右横の視線は「聴覚的創造」

視線が左横に動くのが、すでに知っている音や言葉を思い出しているときだとすれば、右横に動くときは、どこに意識が向いているのでしょう。

視線が右横に動くのは、何か音を創造しているときになります。

たとえば、お寿司屋の板前さんがフランス語のアクセントでお寿司の説明をしたら、どのように聞こえるか想像してみてください。

また、恐竜が「ぞうさん」の歌を歌ったらどんなふうに聞こえるでしょうか。

こんな想像をするときには、視線が右横方向に動くと思います。

 

下向き視線は「身体感覚」「内部対話」にアクセス中

左下に視線が動くときには、自分の中で「内部対話」が行われている状態のことが多くなります。

たとえば、「あなたがもっとも尊敬する歴史上の人物を3人あげてください?」と聞かれて「え~っと、ひとりは織田信長かな。

後は、ガリレオもいいな。パスツールもいいし……まてよ、ナポレオンも捨てがたいぞ……」とあれこれ、自分の中で考えをめぐらせているときなどに、視線は左下に移動します。

つまり思考状態に入って、自分の中で会話している場合の視線の向きです。

会話の相手がこのような状態のときは、考えがまとまるまで少し、待ってあげるといいでしょう。

また、会話の相手が結論を出せないどうどうめぐりをくり返すときなどは、「ちょっと上を見てみて」というように視線を上向きにしてあげることで、新たな思考を持てるようになることもあります。

右下の視線は「身体感覚」

身体感覚にアクセスさせるような質問をなげかけると、相手の視線は右下方向に移動する傾向が見られます。

「身体感覚」に関しては、体験したことのないことを想像する場合も、過去の感じ方を思い出すときも、視線は右下に移動します。

たとえば、「かき氷を食べると、どんな感じがしますか?」とか「真夏の砂浜を裸足で歩くと、どんな感触ですか?」などのように普通であれば経験したことのある記憶や、楽しかったときや怒ったときの感情を思い出したり、「無重力状態で浮かんでいるとしたらどんな感じ?」などように、少し普通では味わえない感覚を想像するときなど、視線の向きは右下になりやすいのです。

「視線解析」を活用してみよう

このように、「視線解析」を行うことで、相手の考えやアクセスしている感覚が体験に基づいているのか、あるいは想像なのかを知ることができます。

テレビなどでインタビューに答えている政治家などが、どこを見て話しているのかを観察するとおもしろいことがわかるかもしれません。

自分自身でも、何かを思うとき自分の視線がどこを向いているのかを注意深く観察してみたり、わざと色々な方向に視線を動かしてみたときに自分の中にあるどんな情報にアクセスしやすいか観察してみるのもおもしろいでしょう。