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【書評・レビュー】化学・意表を突かれる身近な疑問 昆布はなんでダシが海水に溶け出さないの?/ 化学系学生にこそ読んでほしい一冊

化学系の学生は、どれくらいの日常で化学を意識しているのだろうか?

 

僕の経験でいうと、研究や勉強はそれ、日常はそれと、切り離して考えている人が多いように思う。

そういう人たちのために、この本は是非読んでほしい一冊だ。

 

・ビールはなぜペットボトルに入っていないの?

カニ缶のカニはなぜ紙に包んであるの?

・缶詰のミカンはなぜあんなにきれいに向けてるの?

 

などの質問は、旧帝大の化学系の学生でも中々答えに詰まってしまう質問だろうと思う。

 

本当はなかなか難しい話なのだが、伝え方に軽易な表現を使うのに気を遣っていて、とても分かりやすい。

語り手は、様々なことに疑問を持つ息子・娘と、これらの子供の疑問に答える父親と母親の対話で成り立っており、かなり軽妙だ。

ブルーバックスらしく、子供でも読み込むことは容易だろう。

 

話は少しずれるが、何気ないことからどんどん話が広がっていく奴がいると、こいつ、頭が良いな、と思うことが多い。

そういった、話の幅を広げていく意味でも、是非色々な人に読んでほしい一冊だ。